2017年06月21日

「楽園の方舟」に関するデザイナーとしてのアレコレ

さて、ゲームマーケット2017春新作評価アンケートも投票期間が終わりましたね。
Twitterでフォロー頂いている皆様方には期間中、大変お見苦しい宣伝ツイートの乱発をお見せすることになり誠に申し訳ございませんでした。
ただただ偏に、「楽園の方舟」という作品を皆様に知って頂くこと、そして遊んで頂くことを重視したが故の行いでありました故、なにとぞご容赦頂ければ幸いです。
実際はちょっとでも投票数が増えて足切りされずに済むといいなあ、なんて思いも当然ありましたがまあそれはそれとして。

Twitterやブログなどで色々とご意見・ご感想を頂き、まことにありがたく感じております。
実頒布数50に満たないにも関わらず、探せば案外たやすく感想に行き着く現状は、プレイおよびその後のログを残そうと志された方々の努力の賜物であり、当方としてはただひたすらに感謝の念を抱くばかりであります。

個人的にも思い入れの強い作品でありますので、蛇足を承知でデザイナーのようなもの視点から、ネットの海で見られた「楽園の方舟」における感想やら言及を受けて、適当に作品について語ってみたいと思います。
本当に蛇足かと思われますので、一応追記の方に避難させておくことに致します。
読んでみたいと思われた方のみ、続きをご覧頂ければ幸いです。(本当に、何のことはない内容しか書いてませんので悪しからず…)


2017/06/24追記
ゲームマーケット新作評価アンケート、「楽園の方舟」は24位という評価を頂きました。
本作に関わって頂きました皆々様のおかげでなんとか見える形で数値評価を頂くことができ、大変感謝しております。
どうもありがとうございました!




・「楽園の方舟」来歴
 正直あんまり憶えてないのですが、テストプレイ初出は2015年11月の京都創作ゲーム交流会だったようです。
 その後、2016年春の「開拓地の一年」に関わる作業の傍ら製作・調整を続け、2016年夏の第二回SNE公募ゲームコンテストに応募。
 箸にも棒にも引っかからなかったため、システムを大きく変更して現在の形に至る、という感じです。
 胸を張って出せる作品であること、それまで外箱を重視していなかったので化粧箱を使いたかったこと、せっかくなので駒を木材で統一したかったことなどから、コンポーネントをそれなりに豪華仕様にして生産しました。
 ゲームマーケット2017春では前述のとおり50部に届かない程度を皆さまに手に取って頂き、現在に至ります。


・一部コンポーネントにおける必然性
 ここからは概ね言い訳っぽくなるのですが、「楽園の方舟」におけるコンポーネントでは、いわゆる色弱の方への配慮というものをそれなりに考えて設定しています。
 たとえば、資源や得点ボード上を動くマーカーをコマではなくチップにしたのも、色だけではなくイラストによる違いで判別できるように、という思いがあってのことです。
 しかし実際遊んでいる方の声としては、チップだと動かしにくいという意見が挙げられていました。
 配色をしっかりすればそこまで神経質にならなくてもよかったのかもしれません。

 なお、個人ボードだと全体が見渡しにくいとか、資源チップの数が不必要に多いとかは、全くもってその通りかなと思います……
 これはもともとはついたてなどで自分の所持するリソース等を隠匿するルールがもとにあったころの名残によるもので、ルール変更時により最適化されてもおかしくない部分でありました。



・ゲームバランスに関して
 何が強いのか、何が弱いのか。これに関して、さまざまな意見感想が聞こえてきた時点で、個人的には良かったかなと思っています。
 どのアクションも、それが有効な手数で行う間は十分な効率で勝利点を入手できる仕組みになっています。
 マジョリティを争うゲームなので、どの積荷に関しても少数でマジョリティトップを渡してしまうようだとかなり苦しい展開にはなるでしょう。

 スタートプレイヤーが発言力によって変更されるため、トップが変動しないと手番順が固定になるのが苦しいという声も聞こえました。
 「楽園の方舟」は、その独特のワーカープロットのため、スタートプレイヤーが必ずしも有利ではありません。
 どちらかというと手番による有利不利がそれなりに緩和されるようになっています。
 そのため、手番順を動かすことを有意に行わなければ手番が動かない現状に際して、そこまで問題視はしていませんでした。
 しかし、どうも後手番が不利だからということが全ての問題ではなく、手番順が固定され変化がないことへの不快感が問題なのではないかという考えが浮上してきました。
 そのため、もし次回拡張的な何かを出すことがあれば、ある程度手番順が有意に変動する(たとえば発言力の順番と同様に行動順を定める等)仕組みを付けようかと考えています。

 キングメーカー問題があるのでは?という意見もありましたが、実際のところどうなんでしょうか。
 テストプレイ環境ではあまりキングメイカーについての話は出ませんでしたし、実際そういう場面になることはあまりないのではないかと思っていますが……
 (勝敗に絡めないほどのプレイヤーがほどほどに出にくい仕組みになっているため)

 思っていた以上に軽い、という声も多く頂いております。
 もともと想定していた以上に軽くなったなあ、というのが私の感想でもあります。
 ただ、じゃあこれ以上何かしら付け加えるべきなのか?と言われると、そうではないかな、とも思っています。
 6ラウンドというゲーム中の時間の中で、何を取り何を捨てるのか。
 取捨選択が1ラウンドの開始、あるいはその前から始まっているだけなのです。
 必要十分なだけの長さがあり、むしろこれ以上は蛇足である、と。このゲームはこの長さでいいのだと、今の私は感じています。
 短いと感じたのならすぐ2回目のゲームを始めればいいのです。それだけの面白さは十分にあると、自画自賛しておきます。

 というか私はこういうゲームが好きで、こういうゲームが遊びたいんですよね……
 「こういう」というのが今回はこの形で出ましたが、実際は他の形でもいいのですけれども。
 ただ、「こういう」ゲームが好きな人には本当、面白く遊んでもらえると思いますので。
 ぜひとも一度は遊んで頂ければなあ、と切に願っております。





・最後に
 予想通り取り止めのない話になりましたが、このあたりで一旦筆を置かせて頂きます。
 また何かしら書きたいことが出来ましたら適当に追記するなり致しますので、その際はどうぞよろしくお願いいたします。
 何か質問等ありましたらコメントでもtwitterへのリプライでもいいですのでお気軽にどうぞ!
 秋の新作? ちょっと難しいかもしれませんねえ……



・2017/06/24追記
 さて、新たな感想として、勝利のためにやるべきことは明確になりすぎて、動きが単調になってしまうのではないか、という意見が出てまいりました。
 これに関してはイエスともいえ、またノーとも言えるなあと思っています。
 まず、本ゲームにおいてはアクションの結果発生する事象は5つしかありません。
 そして、勝利点の取り方も、おおむね素点およびマジョリティによるボーナスという形で固まっています。
 これらは「かんたんでわかりやすい」「単調で最適行動が固定されやすい」という2つの側面を持つものです。
 しかし、実際のところ、このゲームにおいて最適行動を実行できることはほとんどありません。
 なぜなら、他プレイヤーの意向が必ず自分のアクション時に多かれ少なかれ介在する仕組みになっているからです。
 つまるところこの半強制的なインタラクションの介入により、他者との意向をすり合わせ(あるいは読み解き、読み切って)てその場その場における最適と「思われる」プロットを行うことが望まれるのです。
 そう、このゲームを面白くするのは、各プレイヤーが「自分は得をして相手には得をさせないでおこう」と思考し、その一手を打つこと。その結果生まれる意図の介在が、ゲームを単調さから解き放つのだと言えます。
 なんか難しそうな言葉ばかり並べましたが、まあそんな簡単なものではないと思いますよ、ということが言いたかったのだと思います。ええ。

 フリーアクションがうまいこと基本システムと噛み合ってないというのは、要改善な部分ですねえ……
 どちらかといえば数値バランスを取ることに腐心していたので、もう少し面白いことは確かにできたのやもしれません。



      
タグ:GM2017春
posted by ナナツチ at 00:50| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください